落ち着いている

締め切りまで何もしない

彼の最後の言葉

あの日、私は久々に彼とお酒が飲めると思って、深夜の繁華街でひとり待っていた。

日付も変わり、人もまばらになった頃、彼から連絡がきた。


彼はお腹が空いたのでワタミに行きたいと言ったが、私はどうしても静かにお酒を飲みたかったので、バーに行くことにした。


静かな店内で、今日はだれと飲んでたの?と聞いたら、キャバクラに行っていたという。お姉さんと今度ご飯に行く約束をしたと、嬉しそうに話してくれた。


彼は、私に、どこが好きなの?と意地悪く聞く。そういうところが好きなのだ。彼は私のものにならない。絶対に。涙が出そうになったけど、我慢した。

もしこのとき泣いてたら、今こんなことにはなってなかっただろうなぁ。


ふざけた彼は私の胸を触りながら、私が彼の言うことを聞かないことについてぐちぐち言っていた。バックでするのはいや、顔射もいや、あれもいや、これもいや…なぜ言うことを聞かないのか、と。

私としてはピルを飲み続けていることでかなり譲歩しているつもるだったけど、それでは足りないのだ。


彼に、あなたは私に対してギブしてるという意識があるのか聞いてみた。すると彼は、ギブアンドテイクで考えるのは間違っているという。誕生日の旅行の電話で、ギブアンドテイクと言っていたのに。彼の言動はときどきぶれている。


飲みすぎたという彼が店を出たがったので、その後私の家に行った。

ひとしきりフェラをし、アナルをなめた。顔射された。途中、彼は気持ちいいなめ方を研究してくれないんだね、みたいなことを言ってたけど、私は十分ネットとかで調べたと思う。

彼はどうなんだろう。ギブアンドテイクじゃないから、自分は調べないのか。


すべて終わったあと、雑談をしながら彼が冗談で他の男をどんな風に寸止めしてきたのか聞いてきた。というか、寸止めじゃなくてしたんでしょ、フェラが上手だねって驚かれたでしょ、と彼はいう。

この関係では、私が彼氏をつくるために他の男に会うことは許されていた、というか推奨されていた。


その話、聞きたいですか?聞いておもしろいんですか?


うん、聞きたい。


彼はたしかにそういったので、私は今までセックスした男たちの話をした。


彼は最初、意味がわからない様子だったが、次第に狼狽しはじめた。


私もびっくりした。あれ、話しちゃいけないんだっけ?


彼は悲しい、と言った。怒っている、とも言っていた。


大事に育ててくれた両親を裏切るようなことはするな。


なんかそんなことを言ってた気もする。