落ち着いている

締め切りまで何もしない

ときめきのない恋

彼はほんとうにひどい男だったけど、私はいつも会うのが楽しみだったし、化粧もばっちりして服も3日前から考えて、助手席ではいつもどきどきしていた。すぐ口でしてって言ってくるので、ムードはぶち壊しだったけど。車でフェラしなかったのって、ほんと数えるほどしかない気がする。コンビニで1時間以上私を待たせても、すぐ口でしてっていうようなやつだった。こっちはスタンディング1時間でしんどいんじゃ。


嫌だったところなんてあげればきりがない。でもそれを凌駕するだけのときめきが会った。いい意味でも悪い意味でも、彼は男らしかった。


今の彼は優しいし、不満もないけど、なんかときめかない。友達なら最高だと思うけど、彼氏としてはどうなんだろう。


昨日眠る前、彼に、最近ときめいたことある?と聞いたら、ない、だって。最後にほんとに好きだったのは高校生の頃、付き合うか付き合わないか微妙な関係の女の子だったそうだ。デートはドタキャンされまくり、それでも耐えてたらしいけど、結局付き合うには至らなかったと言っていた。


やっぱり人は、簡単には手に入らないものを追いかけてしまうんだと気付いた。その追いかける時間が、つまりはときめきなのかもしれない。


私と彼は、結婚すればうまくいくと思う。金銭感覚も似てるし、インドア派で冗談も言い合える。それにもう歳だし、恋に恋する季節は終わりにしなければならない、とわかってはいる。


でも。

もうこの先、助手席で、ドキドキしながらキスをまつことはないのかと思うと、なんだかつまらないなと思ってしまった。