落ち着いている

締め切りまで何もしない

本当のさよなら

ついにお別れの時がやってきた。


着拒してごめん、とラインすると、0時くらいに迎えに行くのでドライブフェラしてほしい、というメッセージが届いた。


もう会ってくれないと思っていたので少し驚いたけど、ちゃんと直接お別れを言いたかったので、フェラしたあとに少し話したいことがあると伝えておいた。


彼は次の日朝はやくから仕事なので、あまり時間はとれないけど、と言っていたけど、かまわなかった。


結婚式の後からずっと考えていた。友人は、人生の困難をともに乗り越えて行くパートナーを見つけたのに、私はフェラが上手になっただけだ。人間としての成長は無く、若い時間を無駄にしただけだ。


彼の仕事が忙しいのはたぶん本当だと思う。私たちは遠距離だし、会う時間が制約されるのは仕方ない。でも、いつも仕事の合間に呼び出してはフェラやセックスをするだけの関係は、やっぱり楽しくない。帰ったあとに、悲しくなるし、虚しくなる。


フェラの後、精液をティッシュに吐いて、これでもう最後にしたいと告げた。

彼は、そっかぁ、と言っただけ。何を考えていたかは、もうわからないし、どうでもいいことだ。


車を降りる前に、来年の12月に東京に引っ越すことを教えてくれた。あの狭いアパートを引き払って、東京でマンションを借りるそうだ。家賃も今の10倍くらいのところにするという。夢を追いかけて挑戦する彼は本当にかっこいいと思う。


たぶん、これで本当のさよならだ。


したかったことはたくさんあるけど、もうそこに執着しても時間の無駄だ。彼と私の未来はない。明日から、それぞれの時間が進んでいくだけだ。


いつか忘れる。


ほんとに最低な男だった。でも、好きだった。元気でね、さようなら。