鼻緒が切れたら
彼は落ち込んでいるようだけど、その理由は話してくれないのでわからない。きっと話せないほどつらいのだろう。私はじっと待つしかない。
奇妙なことだ。本来なら一番身近で彼を案じる役目は私のものじゃない。もしかしたら家でなぐさめてもらっているのかな。
私はというと新しい出会いもあって、なんだかそちらに心惹かれている。彼のことも心配だけど、以前ほどの気持ちはない。
ところで身近に私と同じ状況と思われる人たちがいて、あからさますぎて生暖かい目でみんなに見られているけど、本人たちはそれに気付いていなくて、私もあんな恥ずかしいことはいけないな、はやく卒業しよう、と思った。